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zoom RSS 読書日記「ナイロビの蜂」 映画でわからなかったところがクリアーになった

<<   作成日時 : 2007/01/09 00:09   >>

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 昨年公開になった映画「ナイロビの蜂」の原作。映画はそれなりに面白かったけど、結構長いし複雑に入り組んだ原作を、2時間ぐらいの映画に見せるにはかなり流れをシンプルにしなくてはいけないので、なんかわからないところもあってさ。なので、なんか消化不良だった内容を理解するために原作に挑戦したんだな。

 面白かったよ。

 年末年始は、本の中でケニア、イギリス、イタリア、ドイツ、カナダと旅したようなものだ。それも主人公はどんどんぼろぼろになっていくし、出てくる環境は寒いとか、暑いとか、砂漠だとか、雨降ってるとか、はればれしないし、うまそうな食べ物は出てこない。

 それでも、本から目が離せなかったのは、作者であるジョン・ル・カレの筆力、テーマの深さ、異文化を感じさせるイギリスの階級社会を表現する言葉遣いや出身校、身のこなしなどのスノップさ。対する、主人公の妻であり冒頭に殺されてしまうテッサの人としての理想的なありかた。

 フィクションではあるが、そこで行われている多国籍企業の南の国々への搾取、差別、アフリカの政府の不正、国際支援と人道援助の矛盾点や支援者のありかた、などは実際の社会で問われていること。

 インドがエイズ治療薬を、特許を無視して製造し、安くアフリカに売っていたら、米国と多国籍製薬メーカーが、インドに圧力をかけてきたということがあった。現在は、ジェネリック薬などである程度エイズ治療薬は安く手に入るようになった。それでも、南の国々に住む多くの人たちが苦境に立たされていることは変わりない。

 そういう現実を考えながら、こういう小説を読むと、自分の中の小さな正義感が熱くなる。

 重要な登場人物に薬を開発した側の1人の男性がいる。神を信じ、アフリカを救いたいと思いながら、利益の神も信望し人名よりも金儲けに走る。それを恥じて人道的な活動に身を投じながらも、やっぱり責められることに対して堪えられない。

 1人の人の中に相反する感情を住まわせること、それを普通の人よりも大きくすることで人間の持つ魅力と罪深さ、だからこその面白さを描き出しているのかもしれない。

ナイロビの蜂〈上〉
ナイロビの蜂〈上〉 (集英社文庫)

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