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今は亡きナンシー関が週刊文春で連載していた『テレビ消灯時間』をまとめた最後の文庫本だ。社会的になんか鬱屈することが起きた時、ナンシー関が生きていて、彼女の視点で痛快に切ってくれたらっていう発言をしている人は多い。私も同意するよ。 この本の中の「怖いっす。気味悪いっす。W杯一色ニッポン」という対コラムの中に自分の暮らすマンションの階下で、ロシア戦の際にギャーという奇声が時折聞こえたとい件で「あの「ギャーッ」というのに文句言っても、こっちに正当性はないのだろうな。文句を言わないけどね。でも、普段は集合住宅のマナーをきちんと守っているカタギな善人が、カタギな善行として奇声を発している構造が怖いです」という、的確な表現に、アー、今必要なのはそういう的確な指摘が、分かりやすくできるナンシー関の批評性だと思うわけだな。 このフレーズ、いろんなものに応用できるよ。一番簡単な例は「カタギな善人が、カタギな善行として人殺しをしている構造が怖いです(戦争のこと)」。 さぁ、皆さんもなんか息苦しい、おかしいと思うことをこのフレーズを使って表現してみよう。その異常さが際立つっす。 そうそう、彼女の急逝の影響で、この連載、本になる頁数に達しなかったらしく、「オール読物」の山藤章二、南伸坊との対談が3本も収録されている。が、これが面白い。そうそう、こんなに笑いながら批評できてしまう3人に脱帽だ。 天地無用 テレビ消灯時間6
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